シワのお話


シワの主な原因は老化だけではありません。紫外線や乾燥トラブル、ダイエットのやり過ぎなど、さまざまな要因が絡み合ってできるのです。それぞれの原因に応じた対処法をとることが大切です。

シワは大きく分けて4種類「小ジワ」「ちりめんジワ」「表情ジワ」「真皮ジワ」です。

小ジワは20代の若い女性にも多く見られる、目や口の周りにできるシワです。手指でシワを広げたときにシワがなくなるようなら、それは小ジワということになります。ちりめんジワは乾燥した肌に表れる浅くて細かいシワです。ダイエット後や熱が出て脱水症状に陥ったときなどに出てきます。表情ジワは名前の通り、大口を開けて笑ったり眉をひそめたりなど、表情筋を動かした際にできるシワです。目尻や眉間、額などのシワが多く該当します。最後の真皮ジワ、これが一般的にいわれる「シワ」です。老化や紫外線によって真皮の繊維が劣化・変質することで生じます。代表的なものは額のシワや、鼻翼部から口唇の両端にかけて頬との間にできるシワ、上まぶたのくぼみ部分のシワなどです。

1.シワができるメカニズム

皺は、皮膚の構造的な変化や機能低下により形成される線状のくぼみです。

加齢による自然現象であり、以下のような複数の要因が関係しています。


① 皮膚の構造と老化の関係

  皮膚は3層構造です:表皮(角質層を含む)+真皮+皮下組織

 皺の多くは「真皮の変化」に起因します。それぞれの層での変化がどんなシワに関わるか

 表にまとめました。

老化による変化

影響

表皮

ターンオーバーの遅れ、乾燥

表面の浅い小じわ(ちりめんじわ)

真皮

コラーゲン・エラスチンの減少

ヒアルロン酸の減少

深いしわ、たるみ

皮下組織

脂肪減少、支持構造の低下

頬や口元の深いしわやほうれい線


② 原因別メカニズム

加齢

  • 線維芽細胞の機能低下 コラーゲンやエラスチンが作られにくくなる
  • 酸化ストレス 細胞のDNAや構造が損傷される

紫外線(光老化)

  • UVAが真皮に到達 コラーゲン変性・エラスチン異常増殖(ソーラースカー)
  • 活性酸素生成 炎症や分解酵素(MMPs)が増える 真皮が壊される

しわの8割はこの光老化ともいわれています(人種差あり)

表情筋の繰り返し使用(表情じわ)

  • 同じ筋肉を何度も使うことで皮膚に折り目がつく(例:眉間、額、目尻のしわ)

乾燥

  • 水分保持力が低下 角質の柔軟性が失われてひび割れのように見える
  • 特に細かいちりめんじわに関与

 

③ その他要因

  • 喫煙(血流低下、コラーゲン破壊酵素増加)
  • 睡眠不足、ストレス(成長ホルモンや修復機能低下)
  • 栄養バランスの悪さ(ビタミンC、亜鉛などの不足)

2.しわの種類と特徴

しわは主に「でき方の違い」や「深さ・部位」によって、以下のように分類されます。


種類

原因

特徴

対策例

表情じわ

筋肉の反復使用

動的、初期は浅い

ボトックス、表情改善

乾燥じわ

水分不足、角質の乱れ

細かく浅い

保湿、スキンケア

真皮じわ

加齢・紫外線

深く、たるみを伴う

ヒアルロン酸、レーザーなど

構造的しわ

骨格.•脂肪の変化

陰影でシワに見える

リフトアップ、注入治療


3.しわ治療の種類(大まかな分類)

しわ治療は、大きく4つに分けられます。下の表を見てください。


分類

主な治療法

対象となるシワ

1.シワ予防・抑制

レチノール、ビタミンC、抗酸化剤

初期の乾燥じわ、予防

2.肌質改善・再生

レーザー、RFHIFU、マイクロニードル

たるみ、真皮じわ

3.ボリューム補填

ヒアルロン酸、#脂肪注入

ほうれい線、マリオネットライン

4.表情筋の抑制

ボトックス注射

表情じわ(額、眉間、目尻)

当院では注入、機械を使ったシワ治療は行っておりません。

外用薬、内服薬を中心に生活習慣、食事のサポートのアドバイスを行います。詳しい治療は次項をご覧ください。(🍀マーク部分)


1)スキンケア・外用薬・内服治療(予防・シワの初期段階)🍀

毎日のスキンケアから、出来てしまったシワを目立たなくし、深くしないこと、これから出来そうなシワを予防していく治療です。継続的なケアが必要となります。

巷で様々な成分が、シワに効果あり!とを謳っていますが本当でしょうか?シワに有効だとされる成分をまとめてみました。

しわ改善に効果がある主要スキンケア成分(成分別比較)

成分名

主な作用

シワへの効果

科学的根拠の強さ

レチノール     (ビタミンA誘導体)

コラーゲン生成促進 ターンオーバー促進

真皮じわの改善に実証あり

★★★★☆(高)

ナイアシンアミド    (ビタミンB3

保湿、バリア改善    シワの抑制

表皮じわや軽度の真皮じわ

★★★☆☆(中)

ビタミンC

抗酸化       コラーゲン生成促進

光老化予防・初期のしわに有効

★★★☆☆(中)

ペプチド類

コラーゲン合成刺激 細胞活性化

初期のしわに限定的な改善

★★☆☆☆(低)

アスタキサンチン

抗酸化、光老化予防

長期使用での予防効果

★★☆☆☆(低)

ヒアルロン酸(外用)

保湿

表皮の乾燥じわの一時的改善

★★☆☆☆(低)

*化粧品に含まれることが多いペプチド類は効果ありとするデータも多いですが、人の肌でどれだけの改善が見込まれるかは不確実な部分があります。

*アスタキサンチンは予防効果は強いですが、出来てしまったシワを改善する力は弱いです。長期的使用で肌質の改善が見込まれます。

*ヒアルロン酸外用は塗った時のシワ改善効果は高いですが、一時的です。継続使用でシワを目立たなくすることができます。



🟢トレチノインオイルジェル

5g

20日分

3,500

🟢イドラビオヒアルプラス

30ml

30日分

4,750

🟢シミクリーム

10g

30日分

 夏1,200円 

1,100

🟢アスタキサンチンジェル

15ml

30日分

 

🟢シワクリーム

10g

30日分

1,100

🟢DHジェル

150g

90日分

19,800


次に当院では行っておりませんが、他のシワ治療についてご紹介いたします。

2)肌の再構築を促す治療:レーザー・高周波・HIFU・マイクロニードル系

主な種類と特徴

治療名

作用・仕組み

対応するシワ

フラクショナルCOレーザー

真皮に微細な熱損傷を与えコラーゲンを再生

小じわ、毛穴、たるみ

高周波(RF

真皮層を加熱しコラーゲンを収縮・再生

頬や口元のゆるみ

HIFU(ハイフ)

超音波で筋膜層まで熱刺激を与える

たるみじわ、リフトアップ

マイクロニードルRF

微細針+RFで真皮を刺激

小じわ、たるみ、ニキビ跡

【向いているしわ】:ちりめんじわ、真皮じわ、軽度のたるみじわ



3)真皮じわ・構造的しわへの治療:ヒアルロン酸/脂肪注入

内容

ヒアルロン酸

自家脂肪注入

作用

皮膚の下に注入してしわやへこみを埋める

自身の脂肪を使ってふくらみを補う

効果持続

6ヶ月~1年(製剤により差あり)

半永久的(定着すれば)

メリット

ダウンタイ少なめ、即効性

アレルギーリスクが低い

【向いているしわ】:深い静的しわ・ボリュームロスによる陰影



4)表情じわへの治療:ボトックス注射

内容

詳細

主成分

ボツリヌストキシン

作用

筋肉の動きを抑制して、しわを「寄せないようにする」

効果が出るまで

25日後、ピークは2週間

効果の持続

36ヶ月

【向いているしわ】:動的しわ(表情によるしわ)


4.しわと生活習慣の関係

生活習慣は、しわの発生や進行に大きく関係しています。以下の要因は、いずれもエビデンスに基づいた「しわの促進要因」です。

◼️紫外線対策:日焼け止めはUVAカットが出来るものを。日焼け止めは365日使用。

◼️睡眠:毎日78時間。深い眠りがコラーゲンを再生します。

◼️食生活:タンパク質、ビタミンCEA、亜鉛などをしっかり摂取。

◼️表情癖:眉間を寄せる癖、片方だけで噛むなどを見直す。

◼️ストレス:活性酸素の増加・ホルモンバランスに影響が出るので、リラックスタイムを設ける。