1. AGAとは何か(原因・メカニズム)
✅ AGA(Androgenetic Alopecia)とは?
✅ 原因の中心は「男性ホルモン」+「遺伝」
① 男性ホルモン(アンドロゲン)の関与
男性ホルモンの一種「テストステロン」が、酵素「5αリダクターゼ」によって変換されると、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という強力なホルモンになります。DHTが毛包(毛をつくる部分)に作用すると、ヘアサイクル(毛周期)の「成長期」が短くなり、毛が十分に育たなくなります。
② 遺伝的要因
AGAは遺伝する傾向があります。特に「母方の家系」からの影響が強いとも言われますが、これはX染色体上にあるアンドロゲン受容体遺伝子が関与している可能性があるためと考えられています。ただし、遺伝だけで決まるわけではなく、複数の要因が絡んでいます。
✅ AGAのメカニズム
↓(5αリダクターゼ*)
↓
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2. AGAの進行のパターンと症状
AGAは「徐々に進行するタイプの脱毛症」で、特徴的な脱毛のパターンがあります。
✅ よく見られる3つの代表的な進行パターン
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3. AGAの検査・診断方法
AGAは視診(見た目)を中心とした臨床診断が基本ですが、必要に応じて補助的な検査も行われます。
✅ 主な診断方法
① 問診と視診
医師はこれらをもとにAGAの進行パターン(M型/O型/U型)を確認します。
✅ 補助的に行われる検査
② マイクロスコープ検査(拡大カメラ)
③ 写真による経過観察
④ 血液検査(希望・必要に応じて)
→ 体内のDHT濃度よりも「毛包の感受性」がAGA発症に影響するため。
ただし、
などは内服治療を始める前の安全確認として検査することがあります。
✅ 鑑別診断(AGA以外の脱毛との区別)
医師は視診などを通じて、以下のような脱毛症との見極めも行います。
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4. AGAの治療法
AGAは進行性の脱毛症ですが、進行を遅らせたり、毛を太くしたりする治療が可能です。大きく分けて以下のような治療法があります。
✅ 内服薬(飲み薬)
■ フィナステリド(商品名:プロペシアなど)
⚠️副作用→性欲減退、勃起不全、肝機能の変化など
■ デュタステリド(商品名:ザガーロなど)
⚠️両薬ともに「妊娠中の女性が触れることは禁止!(胎児への影響)
✅ 外用薬(塗り薬)
■ミノキシジル(市販:リアップ/医療用:高濃度タイプなど)
⚠️副作用→かぶれ、かゆみ、頭皮の炎症
→高濃度では全身の多毛や動悸の報告もある
■カルプロニウム塩化物(保険:フロジン液)
• 局所血管拡張作用により、頭皮の血行促進
⚠️副作用→一過性の発赤、掻痒感、刺激痛、局所発汗
✅ その他
■ 自毛植毛(外科的治療)
⚠️高額(数十万円~数百万円)、施術後に一時的な脱毛(ショックロス)があることも。
■ メソセラピー/HARG療法
⚠️ 施設の選定は慎重に。
■ サプリ・漢方・栄養療法
✅AGA治療の注意点
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5. AGAと生活習慣の関係
AGAの直接の原因は「男性ホルモン(DHT)」+「遺伝」ですが、生活習慣が間接的に影響を与えることはあります。「生活習慣だけでAGAが治るわけではない」ものの、進行を早める要因を避ける、または、治療効果を高める補助として重要です。
✅ 関連が指摘される生活習慣
■ 睡眠不足・不規則な生活
■ ストレス
■ 食生活の乱れ
■ 喫煙
■ アルコールの過剰摂取
■ 過度のダイエットや運動不足
✅ 頭皮ケア・洗髪習慣について
⚠️「育毛シャンプー」なども補助的にはよいですが、治療薬とは別物です。
✅育毛に良いとされる栄養素
🔸ここまでのまとめ